【リハビリテーションについて】
【リハビリテーションとは】
リハビリテーション」(Rehabilitation)は、re(再び、戻す)とhabilis(適した、
ふさわしい)という言葉から成り立ちます。つまり、リハビリテーションは単なる
機能回復だけを表した言葉ではありません。「人間らしく生きる権利の回復」や「自
分らしく生きること」など、そのために行われるすべての活動がリハビリテーション
になります。霞ヶ浦リハビリテーション整形外科クリニックでは、患者様のニーズに
合わせ、医師・理学療法士によりプログラムを立て、皆様のリハビリテーションをサ
ポートいたします。また、患者様が疾患や障害への理解ができるよう支援し、自ら傷
害克服と状態管理の実践に取り組んでいける環境を提供いたします。
【当院におけるリハビリの流れ】
【リハビリ予約について】
当院のリハビリは予約制です。医師の診察を受けてからリハビリの予約を取って
ください。予約時間に遅れてしまいますと、十分なリハビリの時間が取れないだけで
なく、後続の患者様にもご迷惑をおかけしてしまいます。リハビリ開始10分前まで
には受付を終えるようご協力ください。
【キャンセルについて】
予約日のご都合が悪くなった際は、必ず事前にご連絡ください。
TEL 029-883-0101
お時間を過ぎてご来院された際は、やむを得ず当日のリハビリをお断りする場合
があります。あらかじめご了承くださいませ。
【理学療法とは】
理学療法は、医師の指示のもと、病気、けが、高齢、障害などによって運動機能が
低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持・改善、また痛みやしびれなどの軽
減を目的に運動、温熱、電気などの物理的手段を用いて人々のリハビリテーションを
支援することを言います。
〈身体機能評価〉
当院では理学療法開始時に、全身的な評価を行い、個々人に
あわせた治療プログラムを立案します。また今後に起こりうる
危険因子(転倒の危険性、骨折の危険性など)を把握し障害予
防の観点からもサポートしていきます。
〈関節可動域練習・筋力強化〉
病気や骨折、変形性疾患により関節が固くなり、筋力低下などが起きますが、実生活からスポーツ復帰に至るまで、個
人のパフォーマンスに合わせて機能改善を目指していきます。
〈基本動作練習〉
寝返りをする、起き上がる、座る、立ち上がるなどが困難になっ
た方に対し、状態に応じて段階的に動作の再獲得を目指します。
【運動機器の紹介】
・レッグエクステンション/フレクション
膝の曲げ伸ばしを行い、太ももの前側(大腿四頭筋)と太もも
の後ろ側(ハムストリングス)を鍛えることができるマシンで
す。膝周りの安定性の向上と関節の可動範囲改善や立ち座り、
歩行、階段の上り下りを安定させる目的で行います。
・レッグアブダクション/レッグアダクション
足を開く・閉じる運動を行い、内もも(股関節内転筋群)と
お尻横(中殿筋)を鍛えることができるマシンです。内もも・
お尻横を鍛えることで、股関節周りの動きをスムーズにすると共に、立位・歩行時の安定性の改善や姿勢改善等を目的に行います。
・チェストプレス/ローイング
腕の曲げ伸ばし運動を行い、胸の前の筋肉(大胸筋)や
腕(上腕三頭筋)、肩の筋肉(三角筋)、背中の筋肉(広背筋・
菱形筋)を鍛えることができるマシンです。胸・肩・腕の筋肉
を強化し、荷物の持ち運び能力を高めることや、丸まった姿勢
(円背姿勢)の改善等を目的に行います。
・リカンベントエアロバイク
運動に不慣れな人や、筋力が弱い人、足腰に痛みがある人でも
背もたれがあるので、体への負担が少なく有酸素運動が行えます。
足腰の筋力強化や体力維持・改善、関節の負担を軽減するための
減量等を目的に行います。
これらのマシントレーニングは理学療法士が患者様に合わせて内容・方法を指導
し、リハビリ前後での自主練習として使用することが可能です。
・スリングセラピーベッド モビラ
スリングセラピーでは吊り下げられたロープを使って様々な
運動を行うことができます。スリングで身体を支えることで、
身体の緊張が抜けスムーズに関節を動かすことができ、痛みの
軽減や血液循環の改善、リラクゼーションの効果が期待されます。
また、使用法によっては全身の筋肉、特に体幹筋を鍛えること
や、姿勢、バランスの改善を目的に使用することも可能です。
・平行棒
手すりの高さ調整ができるので、体格に合わせて運動を行う
ことができます。手すりにつかまり、安全に立位での筋力トレ
ーニングやバランスの練習を行うことが可能です。また鏡を組
み合わせて姿勢を確認しながら歩行練習を行うことによって、
良い姿勢を学習することができます。
・体組成計
計測できるもの
・体重 ・体脂肪率 ・脂肪量 ・筋肉量 ・推定骨量
・基礎代謝量 ・内臓脂肪レベル
・BMI(肥満度の指標です。体重(kg)/身長(m)2で計算され、標準値は22です。標準値の22に近いほど、様々な病気にかかるリスクが低いとされています。)
定期的に自身の体の状態を把握し、日々の生活習慣や食事の内容を見直したり、
運動の効果がでているか確認したりして、より効果的に健康づくりに取り組んで
いきましょう。
【物療機器】
当院では、痛みを和らげ、組織の修復を図ることで、治療や運動を円滑に進めることができるよう以下の物理療法機器を揃えています。
・各種牽引(頸椎、腰椎)
頚椎、腰椎などの脊椎に起因する症状の軽減を
図ることを目的とします。頸椎や腰椎の軽度の変形
矯正や、神経圧迫の除圧、血流改善により痛みを和
らげます。
・ウォーターベッド
水圧刺激により、肩から腰、下肢にかけて血行の改善を
促進します。また、水の揺らぎや温かさなどによるリラク
セーション効果が得られます。ご高齢の方や骨の弱い方に
もご使用いただけます。
・干渉波
筋を収縮させ、そのポンピングの作用により血流を促進
させて痛みの物質を取り除きます。干渉波治療器は筋を収
縮させるために通電した際に、皮膚の痛みを感じにくいと
いった特徴があります。
・低周波(SSP)
”SSP”(=Silver Spike Point)と呼ばれる特殊な金属電極を
用いた経皮的ツボ電気刺激です。ミニ吸着導子により快適
なツボ治療をおこないます。刺激により血流が改善し、乳
酸などの疼痛物質の蓄積を防止します。鎮痛・鎮静に効果
的です。
・ホットパック
いわゆる温熱療法の一種で、主な目的としては、疼痛緩和・軟組織柔軟性向上・血
行の改善・代謝亢進・浮腫軽減・リラックス効果などがあります。
【健康寿命とは】
国連の世界保健機関(WHO)は健康寿命という新しい寿命の指標を取り入れまし
た。健康寿命とは、元気に自立して過ごすことができる期間を指します。これまで言
われてきた平均寿命は、いわゆる「寝たきり」や「認知症」といった日常生活に制限
や介護を要する期間が含まれており、生涯の健康な時期との間に大きな開きがある
ことが指摘されておりました。日本ではこの寝たきりの期間が欧米各国と比べても
長く6年以上にわたります。皆様の「健康に長生きする」を支えることが当院のモ
ットーです。
【骨粗鬆症とは】
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨の量が減ってスカスカになり、骨折を起
こしやすくなっている状態、もしくは骨折を起こしてしまった状態のことをいいま
す。私たちの骨は18歳ごろをピークに、年をとるごとに少しずつ減っていきます。
したがって骨量の現象自体は生理的なものです。しかし、減りやすい体質や、生活の
しかたが関係して個人差が出てきます。また、骨粗鬆症は女性に多くみられる病気で
す。女性はもともと骨が細いうえに、閉経によって骨をつくるもとになる女性ホルモ
ンの分泌が減ることが理由です。
このほか、以下のような骨粗鬆症の危険因子があります。避けられないものもあり
ますが、できるだけ危険因子を減らしていくことが大切です。
(1)遺伝に関係するもの
閉経の時期、痩せ型、家族歴
(2)生活に関係するもの
偏食、運動不足、アルコールの多飲、喫煙、日光照射不足
(3)病気に関係するもの
胃切除、糖尿病、甲状腺機能亢進症、高カルシウム尿症、 ステロイド剤投与、
原発性副甲状腺機能亢進症、腎不全
骨粗鬆症はsilent disease(静かな病気)といわれるように、静かに進行していきま
すので、自覚できるほどの症状が表れるのは更年期を過ぎてからです。例えば、「立
ち上がるときや重いものを持つ時に背中や腰が痛む」というのは自覚できる症状で
す。また、「背中が曲がってきた」「最近背が縮んでいる気がする」といった場合は骨
粗鬆症の可能性大です。
さらに進むと、背中や腰の激しい痛みで寝込んでしまったり、ちょっと転んだだけ
で手首や足の付け根を骨折してしまったりするようになります。背中や腰が痛むの
は、背骨の一部がスカスカになった結果、潰れてしまうからです。ポキッと折れるだ
けが骨折ではなく、このように骨が潰れるのも骨折で、圧迫骨折といいます。圧迫骨
折を起こすため、背中が曲がり、縮むのです。
【介護予防】
介護予防は、高齢者が「要介護状態になることを極力遅らせること」または「要介
護状態になるのを未然に防ぐこと」、そして「すでに介護が必要な場合は、状態が悪
化しないよう努め、改善を図ること」を目的としています。
生活機能の低下してきた高齢者に対しては、リハビリテーションの理念を踏まえ
て、「心身機能」「活動」「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが
重要です。単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指す
ものではなく、日常生活の活動性を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって
一人ひとりの生きがいや自己実現のための取組を支援して、生活の質(QOL)の向
上を目指します。
【フレイルとは】
フレイルは、海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty(フレイルティ)」
が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」
などを意味します。フレイルは、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)
が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切
な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされており、健康な状
態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。多くの方は、フレイ
ルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては特にフレイル
が発症しやすいことがわかっています。フレイルに早く気付き、正しく介入(治療や
予防)することが大切です。